おさえておきたい「世界の消費者トレンド2022 TOP10」

【USPジャパンの視点】

要約

① 国際的な市場調査会社「ユーロモニター・インターナショナル」が、2022年に注目すべき「世界の消費者トレンドTOP10」を発表した。

➁ 挙げられているのは、「バックアッププランナー」「気候変動に敏感な消費者」「デジタルシニア」「資産管理マニア」「人生を大きく見直す」「メタバースへの移行」「ユーズド品愛好家」「地方と都会のいいとこ取り」「自分らしさを愛する」「社会活動再開への温度差」。

解説

今後の観光ビジネスの復活に向けたヒント、咀嚼して自分たちのものに!

 コロナ禍を経たあとのツーリストの行動が気になることから、「世界の消費者の行動トレンド」は例年以上に敏感に捉えておく必要がある。

 コロナ禍の消費抑制から貯蓄率が上昇している ➨ シニアツーリストの旅行消費額は大幅に増える ➨ デジタルシニアへのアプローチをどうするか、など、多くのトレンドワードから訪日ゲストの嗜好の変化、行動特性を読み解く力が重要になりそうだ。




【記事の概要】

 ユーロモニター・インターナショナルは、消費者の価値観や行動の変化を調査した「世界の消費者トレンドTOP10」を発表した。パンデミック発生から2年。世界が回復への道を探るなか、2022年に予想される消費者の主な行動トレンドを10項目に分類し、調査・考察している。

 注目のトレンドとして挙げられているのは、「バックアッププランナー」「気候変動に敏感な消費者」「デジタルシニア」「資産管理マニア」「人生を大きく見直す」「メタバースへの移行」「ユーズド品愛好家」「地方と都会のいいとこ取り」「自分らしさを愛する」「社会活動再開への温度差」。いずれにも今後の観光ビジネスの復活に向けたヒントが含まれている。

バックアッププランナー

 バックアッププランナーとは、自分のお気に入りの商品やサービスが入手困難となった場合に、その代替手段を見つけようとする消費者のこと。サプライチェーンの混乱から、このようなトレンドが生まれると予想する。

 バックアッププランナーは好みの商品をいち早く手に入れるために通常よりも割高な金額を払う傾向があることから、消費行動は、地元生産の製品、D2C(消費者直接取引)ブランド、サブスクリブションサービスなど新しい買い物習慣に大きく影響されると予想する。

気候変動に敏感な消費者

 調査によると、世界の消費者の67%が「日々の行動を通じて環境に良い影響をもたらしたい」と回答した。

 一方、世界のビジネス関係者の78%が「気候変動が、消費者の行動や嗜好に変化をもたらす」と回答。39%が「環境に配慮した製品の開発やイノベーションに投資する予定がある」と答えた。

 調査結果から、企業やブランドは今後、デジタルソリューションなどを活用し、気候変動に敏感な消費者の期待に応える製品やサービスを提供することが重要と指摘している。


デジタルシニア

 調査によると、世界の60歳以上の消費者の80%以上が週に1回はインターネットを閲覧しており、SNSの利用は60%以上、オンラインビデオゲームへの参加も21%に及んでいる。また、82%がスマートフォンを所有している。この結果から、高額所得者の4分1近くが60歳以上であることを考えると、デジタルシニアの購買力を取り込むために、アプリ、SNS、ウェブサイトをシニア世代のニーズに合わせて、シンプルかつスムーズなサービスに最適化することが必要と指摘。

 一方で人的交流を引き続き重視する傾向が続くと見られることから、テクノロジーによるシームレスなソリューションと対面式コミュニケーションの組み合わせがカギとなる。さらに、デジタル経験者とデジタル初心者双方に対する計画を立案することが投資効果を高めると分析している。

資産管理マニア

 世界の可処分所得に占める貯蓄の割合は2019年の15%から2020年には17%に上昇。一方、世界の消費支出は4%減少した。そのなかで、所得のある消費者は資産管理マニアとなり、金融リテラシーを高めて、株式投資や趣味を仕事にするなど別の収入源を見つけるようになった。

 ユーロモニターでは、金融機関への信頼が低下するなか、シンプルな資産管理アプリが求められる傾向にあると指摘。一方、企業やブランドは、金融サービスプロバイダーと協力し、暗号通貨やBNPL(Buy Now, Pay Later)決済など代替決済の導入を進めていくことが重要だとした。

人生を大きく見直す

 パンデミックを機に、自身の価値観や生活スタイル、人生の目標を考え直す消費者が増えた。「自分のための時間を優先する」消費者の割合は2015年の12%から2021年には24%に倍増。ワークライフバランスがこれまで以上に重視されるようになっているとした。

 自分の私生活で融通が利く仕事やキャリアを考える会社員が増えている一方、リモートワークでも生産性レベルを維持できることに気づいた企業も多い。調査によると、世界の業界関係者の44%が「今後、従業員の健康と福祉に投資する」と回答した。

 調査結果から、ユーロモニターでは、企業がロイヤルティを高めるためには、価値を提供するだけでなく、自己成長をサポートするという理念とそれを可能にする製品を提供していくとこが必要と指摘している。

メタバースへの移行

 調査によると、「少なくとも週1回はオンラインビデオゲームに参加している」との回答は2015年の29%から2021年には38%に増加した。そのなかで、若い世代での間ではオンラインコミュニティでのつながりを求め、AR/VRヘッドセットを使ってゲームを通じた交流を好む傾向が強まっていると分析。世界におけるAR/VRヘッドセットの売上は、2017年から2021年にかけて56%も増加した。

 AR/VRの機能性が向上し、機器コストが低下していくことで、3D空間の利用者はさらに増えていくと予想。すでにストリーミングでの交流を楽しんでいる消費者に対して、企業やブランドが、その認知度向上や収益向上につなげていくためには、「メタバースへの移行」を模索していく必要があると指摘している。


ユーズド(中古)品、愛好家

 消費者は、サステナブルな暮らし方を選ぶと同時に、不安定な経済状況から手頃な価格も重要な要素になる。一方で、限定品や珍しさを求める消費者も多く、調査によると、世界の消費者の33%が「少なくとも数ヶ月に1回はユーズド品を購入する」と回答した。

 一方で「自社はSDGsの目標12『つくる責任、つかう責任』に取り組んでいる」との回答は67%にものぼった。

 ユーロモニターでは、ユーズド品愛好家トレンドは、持続可能な生産と消費だけでなく、ブランド評価向上にも貢献していくことになると分析している。

地方と都会のいいとこ取り

 パンデミックによって、消費者が屋外に憩いを求め、一時的に地方に移住し、自然のなかで過ごす時間を増やすなど「地方と都会のいいとこ取り」のトレンドが顕著になった。調査によると、世界の消費者の37%が「将来、在宅勤務をしているだろう」と回答するなど働き方にも変化が現れている。リロケーション革命によって、Eコマース市場も拡大した。

 消費者は、都市であれ地方であれ、安全かつ清潔で、緑豊かな環境を求めていることから、企業やブランドは、顧客の居住地に合わせた戦略を構築することが必要になってくると指摘している。

自分らしさを愛する

 消費者ライフスタイルの最前線のひとつが「インクルージョン」。多様性や個性を尊重しつつ、自分らしさを高めることに重きを置く。その「自分らしさを愛する」消費者は、自身の心身をケアするための投資を惜しまない。

 また世界の業界関係者の54%が「よりパーソナライズされた買い物体験は、今後5年間で小売業に強い影響をもたらす」と回答した。

 「自分らしさを愛する」消費者は自分のモチベーションやアイデンティティと合う製品やサービスを選択する傾向にあることから、企業はAIをはじめとしたテクノロジーに投資し、パーソナライズをより洗練していくことが必要と指摘している。

社会活動再開への温度差

 調査によると、消費者の51%が「今後5年間で生活は今より良くなっている」と回答。しかし、一方で76%が「外出時には健康と安全のための注意を払った」と答えており、通常の生活への復帰にはまだ様々な考え方がある。

 そのなかで、企業にはハイブリッドモデルでさまざまなチャネルを跨いだシームレスな顧客体験の提供が求められると同時に、安心感を与えるために、柔軟なポリシー(キャンセル料免除など)が必要だと指摘。旅行市場について、国内需要は回復しつつあり、消費者の旅行回数が増えれば、観光事業者も収入を回復することが可能としている。




【引用元】

https://www.travelvoice.jp/20220118-150460



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