グローバルレポート|東南アジアの企業はウクライナ侵攻の影響の備えをしている。

日経アジア 2022年3月5日

東南アジア地域のビジネスはロシアのウクライナ侵攻によって痛手を被り始めており、農業からツーリズムまで様々な分野へのアプローチの再度見直しを迫られている。

  • 最も打撃を受けた中にタイのCharoen Pokphand Foodがある。同社は2021年8月にUSD3億相当でロシアと豚に関する事業契約を締結。同社は2006年にロシアに拠点を設立し、ロシアで鶏肉、動物の飼育を行っていた。2016年時点ではロシアの食肉生産で第6番目の規模だった。2020年にはCPFoodはタイ国外で収入の約70%のUSD181億を得ていた。ロシアをヨーロッパへの足がかりとして利用する計画だった。しかし、米国、ヨーロッパ、日本、他の主要経済圏からの制裁によりロシア市場、ヨーロッパへの輸出も打撃を受けることが予想される。
  • ロシア、ウクライナはともに穀物、植物油の主要生産国である。シンガポールのヤシ油メーカーWilmar Internationalはウクライナ 南部の都市の戦闘のため、2月24日に石油工場2カ所の操業を停止。港は閉鎖され、飛行機のサービスも停止となり今後ビジネスにさらに影響がでるだろう。シンガポールのOlam Internationalはインド、オーストラリアから代替の小麦を輸入する計画。
  • 航空業界ではシンガポールエアラインはモスクワ間のフライトを停止。カンタス航空はロンドン行き飛行機のロシア上空飛行を回避。代わり中東経由としている。タイ航空は原油価格の高騰が燃料費をさらに増加させることを懸念している。
  • 旅行業界への逆風は航空業界よりもさらに深刻。ウクライナ での戦争は東南アジアの旅行業界の回復をさらに遅らせる。タイのホテル、レストラングループMinor Inernationalはコロナウイルス流行の中、2021年2年連続純損失を計上。約134,000名の海外旅行者が1月にタイに入国。内18%はロシアからの旅行者であり、どの国よりも多かった。タイ商工会議所はウクライナの戦争で50%以上のロシア人旅行者減を見込む。プーケットでは検疫なしの旅行が再開されて以来、ロシアの旅行者が旅行業界では最大だった。
  • ベトナム、ロシアの南シナ海での原油事業はいまのところあまり影響を受けていないようだ。インドネシアのPertaminaとロシアのRosneftは共同でジャワ島に引き続き石油精製所を建設中。
  • 多くの米国、ヨーロッパの会社は侵攻が始まって以来、ロシアの原油、ガスプロジェクトから撤退した。アジアのプレーヤーは今後彼らの計画、運営については深刻な混乱を見ることになるかもしれない。

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