The Guardian 2022年2月2日
2019年に8百万人の海外観光客を受け入れた都市、いまや平和、静けさに慣れつつある。
- 数年前までは満杯の観光客を乗せたバスがすでに人でいっぱいの道を清水寺へといく光景が京都では普通だったが、これはCOVID19の前の話。英語や中国語、その他ヨーロッパ、アジアの言語が飛び交っていたが今や日本の修学旅行生の話し声にとって代わった。土産物店、和菓子店は空の状態で、スタッフはもうかっている時を思い起こす。
- パンデミックが始まり2年、古都の住人は海外旅行者のいない生活を受容している。かつては地元経済を潤すということで海外旅行者を歓迎、そして無礼な態度、またマナーの悪さを嘆いたものだった。日本のポップカルチャー、日本食のブーム、円安、2011年3月11日の福島原発事故も記憶から薄れつつあり、ツーリズムが成功していた。2019年には海外から3,100万人が訪れ、内約800万人が京都を旅程に入れた。2020年の夏季オリンピックを主催するという成功に後押しされ、政府はこの10年の終わりまでには海外旅行者を6,000万人にするという目標を打ち上げた。しかし2年間の厳しい国境制限の後、日本のツーリストブームはまるで違う時代の出来事だったように感じられている。
- 昨年までに、前の10年間で得たものはすべて白紙にもどったようだ。コロナウイルスの到来により徐々にツーリスト、他の人々を受け入れるという計画を政府は諦めた。結果、2021年に日本を訪れた海外旅行者は245 ,900人とパンデミック以前の99.2%減となった。
- 京都が「旅行公害」の中心であったのも昔のことではなく、祇園地区には不法侵入の警告看板があり、芸妓や舞妓に向かって自撮りをせがむ観光客への苦情もあった。人気の観光スポットでは交通渋滞となり、地元の人々はツーリストのバス、スーツケースで混雑する通りでのスペースを見つけるのが困難になった。レストランの経営者はグループで予約し、結局現れない客に抗議した。
- 現在京都の観光経済は国内旅行者に依存している。コロナウイルスの最近の波により、国内観光客も衰退している。京扇子の店の顧客数は過去2年間で60%以上の減少。店主の吉田氏は「このまま続くとどうなるかわからない。正直にいうと、今後数年間はもとのようには戻らないだろう」という。オミクロンの拡大がまだピークとならず、日本政府は旅行制限を撤廃することに慎重となっている。そこで京都に観光客が戻ると予想する人は少ない。戻ったとしてもパンデミックの以前のほんの一部だろう。カフェを営む長塚氏は「京都は特に大きな都市ではありません。なのであまりに多くの海外の旅行者は公共交通にプレッシャーを与えます。彼らはビジネスとしては素晴らしいですが、あまり多くの方が来ると普通の生活を送るのが難しくなります。私としても彼らに戻ってきて欲しい気持ちと平和、静けさを愛する気持ちと両方あります。」と語る。
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