グローバルレポート|ヨーロッパ、ロシア、ウクライナのファッション業界はいかに繋がっているか?

ファッションネットワーク 2022年3月7日

ウクライナへの侵攻はヨーロッパ、ロシアの繊維, アパレル産業にとって驚きをもって受け止められた。数多くのファションブランド、企業がウクライナの人々への支援を表明する中、ファッションネットワークではウクライナとロシアの繊維業界の状況について調査。市場の機会、供給についての影響の分析を試みた。

  • ウクライナの産業業界を促進する機関、UkraineInvest、によるとウクライナで繊維、アパレル、靴に従事している企業は2500社以上、内約500社が繊維関連の企業。2019年にはアパレル、靴業界で16,000の業務、そして繊維産業では16,000の業務がある。同年、この二つの産業でそれぞれ約USD 850百万、USD330百万の収益を上げている。アディダス、ザラ、エスプリ、ネクスト、メックス、ベネトン、トミーフィルフィガー、ヒューゴボスなどが主な取引先。政府の発表によるとウクライナの繊維、アパレル産業収入の80-90%は輸出による。フランスファッション協会によると昨年EU,UK合計でウクライナへの輸出はアパレルでEURO642百万(輸出全体の2.09%),繊維でEURO 727百万(輸出全体の3.09%)。ウクライナのEUに対するアパレル、繊維輸出額は僅かである。
  • ロシアでは農産物に次いで、繊維、アパレルは第二の規模の産業であり、収入は約EURO327億にのぼる(ルーブル下落前の為替レート)。WTOによるとロシアは世界のアパレル輸出の0.2%だが、輸入では1.6%を占める。過去10年にわたりロシア繊維産業の雇用は約40万人から25000人と急速に減少。2021年EUはロシアにEURO23.4億を輸出。これはヨーロッパ産業の全輸出の7.60%に匹敵する。繊維業界ではロシアはヨーロッパの商品の輸出先であり(3.7%)EURO860百万の規模となっている。一方、昨年のヨーロッパへのロシアからのアパレル輸出はEURO39百万(ヨーロッパのアパレル輸入の0.05%),繊維製品はEURO98百万にとどまっている。(0.27%)
  • 3月2日、ヨーロッパのアパレル、テキスタイル連合Eurotexは業界を全体的に脅かす侵攻の影響を挙げた。それはエネルギーコストの上昇。夏以来ガス、電気料金は上がり続けヨーロッパの製造業を圧迫している。ロシアは中央、東ヨーロッパの重要なエネルギー供給元であるためEUとロシアが争っている間状況は悪くなりつつある。Eurotexによると繊維メーカーの中には操業停止もやむおえないところも出てくる可能性がある。メーカーだけでなくブランド、小売も問題に直面している。ロシアで販売されている靴、アパレルで地元のものは20%。ロシアで販売している多くの海外ブランドは難しい選択に迫られている。多くの主要ブランドはウクライナのため市場から引き上げている。しかし多くのブランドはロシアの消費者を断念するまでには至っていない。一般的にはヨーロッパのメーカーは戦争によって消費が鈍化することは望んでいない。ヨーロッパのマーケットはCOVID以前のレベルに回復しておらず心配はますます増している。

https://us.fashionnetwork.com/news/How-are-the-fashion-sectors-in-europe-russia-ukraine-connected-,1385007.html


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