世界7か国のサステナブル消費意向、日本の低意識が浮き彫り

持続可能性・SDGs

【USPジャパンの視点】

要約

① アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは、世界7カ国(米国、英国、インド、オーストラリア、カナダ、メキシコ、日本)で環境に配慮した購買に関する調査を実施した。

② Z世代やミレニアル世代に該当する40歳以下が他の世代に比べて意識が高かったほか、日本人の意識は他国に比べて低いことも明らかになった。

解説

日本におけるSDGs、「低い認知度」と「高い達成度」の乖離の問題点

 このような調査が行われると決まって表出するのが、SDGs及びサステナブル消費に対する「日本人の意識の低さ」である。

 日本のSDGs達成度は高いのだが、それは「質の高い教育環境」「産業のしやすいインフラ」「平和な国家」など、SDGs以前に“富める国を目指して積み上げてきた貯金”にすぎない。

 一方で、近年特に問題となっている「環境」に対する国内での注目度は、各国と比較すると極端に低いと言わざるを得ない。

 高度成長期に消費を美徳としてきた日本だからこそ、消費の内容いかんによる美しさ・価値を重視することもたやすいはずだと思うのだが…。



【記事の概要】

 アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは、世界7カ国(米国、英国、インド、オーストラリア、カナダ、メキシコ、日本)で環境に配慮した購買に関する調査を実施した。これによると、回答者のほぼ半数(46%)が、いつでも、または頻繁に「持続可能な製品を購入している」と回答。特に、Z世代やミレニアル世代に該当する40歳以下は52%と、他の世代に比べて意識が高かった。

 一方で、日本人の意識は他国に比べて低いことも明らかになった。例えば、「目的意識を持った買物をしているか」の設問では、1位インド(87%)、2位メキシコ(54%)、3位オーストラリア(46%)に対し、日本は26%で対象の7カ国で最下位だった。

 「持続可能な製品の購入を思いとどまらせるものは何か」の設問でも、7カ国すべてで1位は「価格が高い」(61%)であったが、2位は日本以外の6カ国で「簡単に手に入らない」(36%)となった。これに対し、日本は「十分な情報がない、知らない」(29%)が2位だった。

 自身のカーボンフットプリントについても、「十分に理解していると思う」と回答したのは、グローバルの51%に対し、日本は27%。「この1年で自身のカーボンフットプリントを減らすために日常生活を変えた」は、グローバルでは58%に対し、日本では23%だった。

 同調査では日本人は世界に比べてSDGsや環境保護に対する意識が低く、自ら情報を得て知ろうとする行動力も小さいことが浮き彫りになった。日本の事業者がサステナビリティに対する取り組みをする際には、今後のインバウンド再開に向け、国内だけでなく海外の動きを意識した対策をする必要があるといえる。

 なお、「持続可能な製品のために、進んで支払ってもよいと思える割増金額の上限」は、「10%以上~25%未満」がグローバル、日本とも約4割でほぼ同じだが、「10%未満」の回答は日本は39%で7カ国で最も高かった。ただし、「持続可能な製品のために、より高い金額を支う」は、一部の国の偏りによってグローバル平均は48%になっているものの、国別でみると「はい」と「いいえ」が拮抗している国は少なくない。価格の割増は許容していても、より高い金額を支払うことには積極的ではないとの意向が一定程度あることもうかがえる。

 調査は2022年3月8日~13日に、オンラインで実施。対象は米国、日本、オーストラリア、インド、英国、メキシコ、カナダの18歳以上の計7999人。



【引用元】

https://www.travelvoice.jp/20220415-151045

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